「ママさん刑事ローラ・ダイヤモンド」では気の強い女性刑事を軽やかに演じているデブラだが、私生活はまったく別。特に子供と一緒の時には。
あなたの人生で最も恐怖を感じた瞬間とは? そんな番組MCの質問にデブラは「NYの自宅マンションにストーカーが現れたと聞かされた時でしょうね」と慎重に返答。
ある時、自宅でくつろぐデブラの元に、突然警察がやってきてストーカーの存在を伝えたという。なんと、その男は「自分はデブラに招待されてやってきた。今日一日デブラとローマン君(デブラの一人息子)と過ごす予定だ」とマンションのドアマンに話したのだとか。不審に思ったドアマンがすぐに追い払い警察を呼んだため、ことなきを得た。しかし、デブラの恐怖心は半端なかったという。
なぜなら、その男がローマン君の名前を口にしたから。もちろんデブラはセレブリティ、一人息子の名前は公表してきたし、一緒にイベントに参加すれば写真を撮られることもある。
とはいえだ。名前を口にされることで、ストーカーは自分だけでなくローマン君まで意識していると知ってしまった。親としてこれほど恐ろしいことがあろうか。
「怖かったです。なぜなら誰もその男と直接対面していないので、どんな人が分からないのです」
後から聞かされたデブラはもちろん、警察もその男の素性は分からずじまい。どこの誰とも分からないストーカーをどう防げばよいのか?
このストーカー被害がいつのことなのかデブラは明らかにしていない。19歳になったローマン君が大学に進学し、家を離れたことで公表したのかもしれない。
ストーカー被害が関係しているのか、以前、漠然とした恐怖からパニック障害を起こしたこともあるという。
それは、デブラがNYのタイムズスクエアを歩いていた時のこと。渋谷の交差点のような人の群れの中、すれ違う人、追い抜く人たちの体が無意識にぶつかり合う。
「突然恐怖を感じ、パニック障害を起こしました。汗がどっと出て、なんとか人の群れをかきわけ、自分のトレーラーに戻った時、手の震えがとまらなかったんです」
もちろん身の危険を感じるような何かに遭ったわけではない。混雑した街並みを歩いていただけだ。しかし、その通常が彼女の中の過去の記憶を呼び起こした。
「(過去に)群衆の中で体を触られたり、後ろから誰かに抱きつこうと飛びつかれたり、バックパックを引っ張られたり、そんな記憶がすべて凝縮されてよみがえったのです」
抑圧されていたネガティブな記憶が彼女を抑圧した。今は少しずつだが症状は上向いているという。
「ほんの2週間ほど前ですけれど、タイムズスクエアを一人で通り抜けることができたのです。心の中で『頑張ったわね、いい子いい子、やればできるじゃない』って自分を褒めてあげました」
恐怖体験を公表できたのも前進の証。一見、何でもない出来事も人によっては恐怖の対象になりうる。デブラの勇気ある発言は何かに悩んでいる人の心の支えとなるだろう。
<「dailymail.co.uk/」8月15日>