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ブラックリスト」のメーガン・ブーンが米オンラインメディアのインタビューに答え、過酷だった同作のオーディションについて語っている。
「ブラックリスト」シーズン1から8まで出演していたメーガン。演じるエリザベス・“リズ”・キーンは、ジェームズ・スペイダー演じるレイモンド・“レッド”・レディントンと肩を並べる、最重要キャラクターの一人だった。
これまでも「LAW & ORDER: LA」でメインキャラクターの一人を務めるなど若手俳優として力をつけていたが、主役を演じるのは「ブラックリスト」が初めて。まだ知名度が低かっただけに、そのオーディションは簡単ではなかった。
「TVネットワークの仕事を取ることにそれほど熱心ではない時期もあったのだけど、(『ブラックリスト』が始まる年に)TVの仕事がしたいからオーディションを受けさせてといろいろな人に声をかけていたの」
「LAW & ORDER」のスピンオフ「LAW & ORDER: LA」がわずか1シーズンで打ち切りとなり、落ち込んでいたのだろうか。しばらくTVを離れたいと思っていたのかもしれない。
そんな時、巡り合ったのが「ブラックリスト」。パイロット版の脚本を読み、すぐに気に入った。
「一瞬でエリザベス・キーンというキャラクターに惹かれてしまったの。だから(製作総指揮の)ジョン・ボーケンキャンプ、ジョン・アイゼンドレイスたちとのオーディションまでの一週間は本当に一生懸命準備をしたわ」
これはいける、そんな脚本には滅多にお目にかかることはないだろう。俳優としての直感がこの作品を逃してはならないとメーガンを必死にさせた。
「最初のオーディションでは、私の持っているものを全部出し切ったわ。自分の人生の中でも最高のパフォーマンスの一つだった。それくらい重要な作品だと思ったから」
最初のオーディションで候補には残ったものの、即決には至らなかった。
「彼らはオーディションをその後も続けていたわ。エリザベス・キーンはとても重要なキャラクターだから、間違ったキャスティングをしたくないものね。私は何度も何度もオーディションに呼び出された。そのたびにキャラクターについて新しい発見があったり、気づかされることもあった。だから毎回同じ演技はできなかった」
「ブラックリスト」が後に10シーズン続く大ヒットシリーズになることを考えれば、必要なプロセスだったろう。繰り返されるオーディション、その度に演技をブラッシュアップしなければならない。俳優は根気勝負の仕事である。
「オーディションを何度も受けるうちに自分がどんどんエリザベス・キーンになっていく気がしたわ。最終的に自分が選ばれた時、私はすっかり『ブラックリスト』の世界に入り込んでいた」
メーガンはドナルド・レスラー役のディエゴ・クラテンホフやトム・キーン役のライアン・エッゴールドのオーディションにも読み合わせで参加したのだとか。主役の一人、エリザベスが決まり、「ブラックリスト」が本格始動した瞬間だ。
「そしてジェームズ・スペイダーの出演が決まったの。作品のクオリティはどんどん良くなっていった。成功に導くマジックが完成する、その一部始終を私は見ていたのよ」
米TV界にセンセーショナルな話題を巻き起こした「ブラックリスト」の大ヒットは、プロデューサー、キャストらが一丸となった努力のたまものなのだ。
<「dailyactor.com」 2013年9月26日>