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海外ドラマ最新レポート Vol.625  「ベター・コール・ソウル」のボブ・オデンカーク、配役に異議?

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ベター・コール・ソウル」のボブ・オデンカークが、米ポッドキャスト番組に出演。同シリーズのオリジナル「ブレイキング・バッド」で生まれたキャラクター、ソウル・グッドマン(ジミー・マッギルの前身)のキャスティングに異議を申し立てた。
 
「ブレイキング・バッド」ではサブキャラだったソウル・グッドマンに、クリエーターのヴィンス・ギリガン、ピーター・グールドらが可能性を感じ、主役に置いたのがスピンオフの「ベター・コール・ソウル」。
「ブレイキング・バッド」「ベター・コール・ソウル」のドラマシリーズとしての完成度に、ボブは異論を申し立てているわけではない。ドラマシリーズであったにもかかわらず、なぜコメディアンの自分がキャスティングされたのかと不思議がっているのだ。
「『ブレイキング・バッド』に僕をキャスティングするべきじゃなかったよ。僕はあの作品に選んでもらえるほど、何かしていたわけじゃなかったんだ」と、ボブ。謙遜ではない、本当になぜ声を掛けてもらえたのか、今でも分からないのだ。
 
「ブレイキング・バッド」以前のボブは、「サタデー・ナイト・ライブ」の番組作家を始め、コメディ作家兼コメディアンとして活動していた。コメディの世界では名が知れていたものの、まだ俳優としての経験はほとんどなかった。
それなのに「ブレイキング・バッド」の出演はオーディションさえも免除された大抜擢。製作陣にとっては大博打だったに違いない
作家の性ゆえ、ボブは初めて「ブレイキング・バッド」の脚本をもらった時、自分の台詞をもっと面白くなるよう書き直してみたのだとか。
「だけど気が付いたんだ。これはドラマだと。僕はドラマについては何も知らない。じゃあ、俳優になりきってみようと思った。俳優だったら、こんなことはやらないはずだ、ただ脚本に書かれたことを演じきってみようと思い直した。それが俳優の仕事だろうからね」
 
書き直した台詞は丸めて屑籠へ。台詞を丸暗記して、句読点まで正確に演じきったとボブは記憶している。完璧ではないが、98%くらいの正確さで脚本どおりに演じたという。
「ブレイキング・バッド」の全力が、「ベター・コール・ソウル」につながったことは言うまでもない。製作陣の大博打は大当たりと出た。
「たとえ上手く演じられなくてもね、だってキャスティングしたのはそっちでしょ、と言えたからね。僕にとってノーリスクの仕事だったんだ!」
 
時おりコメディアンのボブが顔を出す、けれどそんなジョークはもう通用しない。もはや誰だって、ボブは名優と知っているのだから。
 
 
<「cracked.com」 5月22日>