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海外ドラマ最新レポート Vol.636  「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」マリアル役のフィービー・フォックスとは?

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THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」でエカチェリーナ(エル・ファニング)の召使いマリアルを演じている英女優のフィービー・フォックス。まだまだ海外ドラマファンには馴染みのない名前かもしれないが、場をひっかきまわすマリアル役を好演する注目の女優だ。
 
大スターのエル・ファニング、ニコラス・ホルト主演、そしてクリエーターは『女王陛下のお気に入り』のトニー・マクナマラ。フィービーにとって、マリアル役はなんとしても手に入れたい役だった。
「初めからマリアルのことが気に入ったの。オーディションはとにかくユニークで、エッジが利いていた。笑いのセンスは私と似ていると感じた」
マクナマラの脚本は「言葉への愛にあふれている。言葉遊びが上手なのよ」と心酔している様子。とはいえ、生半可なテクニックでは演じきれない台詞が続くことも分かっている。
「(撮影の前は)舞台に立つ朝みたいに口のウォームアップが欠かせないわ。台詞を言うのに口がもたつかないようにね」
 
もともと舞台出身のフィービーは、「橋からの眺め」(アーサー・ミラーの戯曲)でローレンス・オリヴィエ賞の助演女優賞にノミネートされたこともある。
「舞台で鍛えられたから、マリアルを芝居がかったキャラクターに育てることができたと思っている」
マリアルはシーズン1、シーズン2と、主役の二人に負けず劣らずアップダウンのあるキャラクター。難役だけに演じがいがあるのだろう。
 
そんなマリアル、「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」を愛するがあまり、リハーサルの初日に女帝エカチェリーナの伝記本を手にスタジオ入りしたのだとか。
しかし、「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」のストーリーの大半はフィクション。マクナマラには「そんなの不要だよ」と苦笑されてしまった。
 
はやる気持ちを初日でくじかれたフィービーだが、今となってはマクナマラの考えが正しいと理解している。
「以前にも時代物のドラマに出演したことがあるのだけど、その時は史実に縛られてしまって上手くいかなかったのよ」
マリアルは架空のキャラクター。お手本はどこにもいない。マクナマラが創り上げた「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」ワールドで、のびのびと周囲をかき回す、それが彼女の役割なのだ。
 
そんなフィービーには夢がある。ミュージカルに出たいという。「歌のレッスンを受けているの。自分の声を再発見したくてね。(レッスンの後は)エネルギーで満ち溢れている感じ」
とにかく今は歌って踊りたい、何だって出来る気がする。実力派の次の一手が楽しみだ。
 
 
<「standard.co.uk」 2022年7月22日>