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海外ドラマ最新レポート Vol.644  なぜ私のキャラは愛される? 「グッド・ファイト」のサラ・スティール、ファンの共感に?

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グッド・ワイフ」にイーライ・ゴールド(アラン・カミング)の娘マリッサが初登場したのは、2011年シーズン2でのこと。マリッサは、全6シーズンを通し、たった22話しか登場していないのに、強烈なインパクトを残した人気キャラクターだった。だからこそ、スピンオフ「グッド・ファイト」にマリッサがレギュラー入りしたと聞いても、ファンならばきっと驚かなかったはずだ。
父親譲りのひょうひょうとしたキャラクター、むしろ超個性派の父親ですら時に手を焼くマリッサ。好かれようとしてるわけじゃないのに、なぜかファンから愛されているマリッサを演じるサラ・スティールがその好感度について語っている。
 
「私もずっとそれが不思議だったんです」と、実はサラ当人も首をひねるマリッサの愛され度。
舞台育ちのサラは、TVや映画と違い、たとえ目の前の限られた数の観客だけに対しても、全身全霊で演技をしてきた。
「舞台では、私は自分のすべてをさらけ出し心も魂も捧げて演技をします。それなのに、劇場を一歩出ると、人は皆、『グッド・ワイフ』のマリッサが大好きだと話しかけてくるんです」
 
語弊があるかもしれないが、マリッサ役は(それほどの役じゃない……)と思っていたのだとか。舞台で汗と涙を流しながら演じていた役に比べ、マリッサはサラリとしたキャラクターだからだろうか。
 
「皆がマリッサをなぜ愛しているかを理解するのに、長い時間がかかりました。答えは、あるウェイトレスさんがすごくシンプルな言葉で教えてくれたのです。彼女はマリッサについて言いました、『すごく共感できる』と」
自分とマリッサを重ね合わせることができる、もしくは自分の身の回りにマリッサが居そうな気がする。それが共感。
「私はその言葉で腑に落ちた気がしました。TVの中に、自分の知り合いにいそうなキャラクターが登場することはほとんどありません。(脚本家は)マリッサをうまく現代に生きる本物の女性に当てはめたと思います。TVでは自信たっぷりのモデルのような若い女性ばかりですから」
もちろん、サラは自分がモデルみたいなルックスじゃないと卑下しているわけではない。自身を普通のルックスの若い女性だと胸を張る。サラがマリッサに“サラリ”と吹き込んだもの、それは日々を生きる普通の若い女性の姿なのだ。
 
当然ながらサラとマリッサは別人格だ。それでも愛されるコツをつかんだサラは、これからも人々に共感を得るようなキャラクターを生み出してゆくことだろう。
 
 
<「pastemagazine.com」 2018年3月15日>