高校を卒業し、大学生や社会人に成長した主人公を描いた、圧倒的な人気を誇る青春ドラマ
このドラマが無ければ、「24」も「SEX AND THE CITY」も「ゴシップガール」も「HEROES/ヒーローズ」も、いや、日本における海外ドラマ・ブームそのものが無かった・・・。全世界に続いて日本全国を熱狂の渦に巻き込んだ伝説のTVドラマが「ビバリーヒルズ高校・青春白書」、そう“ビバヒル”だ。
1990年秋、後に「24」「プリズン・ブレイク」「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」を放送する全米FOXネットワークで始まり、たちまち全米で社会現象級のメガブームが発生。最終的には何と10シーズンも続くロングラン・ヒットに到達。そんな“ビバヒル”は海外ドラマが現在ほどブレイクしていなかった日本でも放送され、続く「ER 緊急救命室」と共に海外ドラマそのものに大きく関心を集めるほどの大反響を獲得。番組に登場するファッション、“アメリカン・カジュアル(アメカジ)”が雑誌で何度も特集を組まれるほどの人気を獲得した。
原題は「Beverly Hills 90210」。90210はアメリカを代表する高級住宅街、ビバリーヒルズの郵便番号。そこで暮らす若者たちを描いた本作は、日本での番組名は、主人公たちが高校生であったシーズン1~3を「ビバリーヒルズ高校白書」、大学生や社会人に成長してからのシーズン4~10を「ビバリーヒルズ青春白書」と呼び分けている。
第1話、地方のミネソタからウエスト・ビバリー高校に転校してきた双子兄妹、ブランドンとブレンダは、高校の駐車場に高級車が並び、校内におしゃれな生徒がひしめくゴージャスな光景に圧倒される。しかし彼らが仲間になる不良生徒ディランや、ケリー、デビッド(「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」のブライアン・オースティン・グリーン)らはいずれもリッチだが、金銭でも解決できない複雑な家庭事情を抱えていた。また、アメリカ社会の縮図である公立のウエスト・ビバリー高校の中にも、乗り越えにくい格差や差別などの問題が。しかし互いを信じ、手を組んでそれらを乗り越えていくのが“ビバヒル”の仲間たち。全米放送終了から約10年を迎える “ビバヒル”だが、08年秋よりリメイク版の「90210(原題)」の放送がスタート。シャナン・ドハーティー、ジェニー・ガースら、オリジナル・キャストが当時と同じ役でゲスト出演し、話題を呼んでいる。今もファンの心をつかんで離さないのは、今を生きる人々の幸福と苦悩を真正面から描いているからに尽きる。
番組を企画したのは、後に「SEX AND THE CITY」を手がけるダーレン・スター。製作総指揮は「チャーリーズ・エンジェル」などの名プロデューサー、アーロン・スペリング。実の娘であるトリ・スペリングが本作でドナ役を演じたことでも話題を集めた。
“ビバヒル”は単なる人気ドラマでなく、米国TV史を語るには欠かせないといっていいほどの記念碑的番組だ。理由その1は、それまで家族向け番組が主流だった米国で、初めて純然たる“青春ドラマ”を定着させたこと。本作が無ければJ・J・エイブラムスの「フェリシティの青春」をはじめ、「ロズウェル」、そして現在日本でも人気の「The OC」、「ゴシップガール」といった青春ドラマの流れは生まれなかった。理由その2は、後に「24」「プリズン・ブレイク」「X-ファイル」「アリー・myラブ」「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」などを放つ全米FOXネットワークは1990年当時まだ新進チャンネルだったが、“ビバヒル”の大成功で経営が軌道に乗ったといっても過言ではない。理由その3は、日本で海外ドラマ人気を復活させたこと。1980年代後半から1990年代前半にかけ日本のTV界において海外ドラマは壊滅的状況に置かれていたが、1992年、本作が日本のBSや地上波で放送され予想を越えるヒット番組に。この頃、「ER 緊急救命室」とあわせ、“海外ドラマは面白い”という声が広く聞かれるようになるきっかけになった。以上、タイトルが挙がった海外ドラマは“ビバヒル”無くしてありえなかったにちがいない。"
“ビバヒル”のシーズン1は、全米放送当初の視聴率は低かったが、放送開始から半年ほど経ったあたりから若いファンや各メディアの関心を呼び、1991年からのシーズン2は第1話が全米視聴率ベスト20に入るなど、たちまち高視聴率番組に仲間入り。同年から主要キャストは、ティーン向け雑誌はもちろん、多くの雑誌で表紙を飾り、米国の玩具メーカー、マテル社は主要キャラの人形を発売したほど。また、ディラン役のルーク・ペリーが出演したイベントには5000人も押し寄せて負傷者まで発生、ペリーはクリーニング店のカゴに隠れて脱出した・・・という逸話も。また、スウェーデンでは当時、男児にブランドンとディランという、本作の2大キャラの名前を新生児の名前に付けるのが流行になったり・・・と、“ビバヒル”人気は世界規模でブレイクした!
「ビバリーヒルズ高校・青春白書」は通称“ビバヒル”で通用するほどになったほど、日本でも人気に。数々の関連書籍が発売され、雑誌では番組に関する連載も掲載された。また、女性誌方面では、“ビバヒル”に登場するファッションが、当時注目された“アメリカン・カジュアル(アメカジ)”のお手本とばかりに、“ビバカジ”として何度も紹介された。ロケ地を見たいというファンが大勢、ロサンジェルスを訪ねたことから、旅行代理店によってはロケ地めぐりをオプショナル・ツアーに加えたところもある。
そして近年、お笑いグループ「ザ・プラン9」のなだぎ武が2005年に初めてTVで本作のキャラクター、ディランを演じ、その後、“R-1 ぐらんぷり”で優勝したのをきっかけに、ディランが日本全国のお茶の間で人気者として再浮上する予期せぬ事態に。ちなみに、なだぎディランと共によく登場する友近演じるキャサリンは実は“ビバヒル”にいないキャラだが、“海外ドラマにいそうな女性キャラ”として好評を博している。
当時の米国ドラマとしては音楽に力を入れていた“ビバヒル”らしく、音楽界のゲストが豪華。ザ・ローリング・ストーンズ、ベイビーフェイス、ルーサー・ヴァンドロス、モニカ、クリスティーナ・アギレラらが本人役でゲスト出演している。
また、後に映画『ボーイズ・ドント・クライ』『ミリオンダラー・ベイビー』で2度もアカデミー主演女優賞に輝くヒラリー・スワンクがシーズン8にカーリー役でレギュラー出演。後にTV「サード・ウォッチ」でボスコ役に扮するジェーソン・ワイルズや、TV「SEX AND THE CITY」スミス役のジェイソン・ルイスらが出演しているほか、無名時代のジェシカ・アルバや「デスパレートな妻たち」のエヴァ・ロンゴリア・パーカーらもゲスト出演している。
シーズン1
ジャイモン・フンスー『グラディエイター』#1、♪デビー・ギブソン[歌手・本人役]#16(1-16)
シーズン2
★エミリー初登場(クリスティン・エリス「ER緊急救命室(ハーパー・トレイシー役)」 ルーシー・リュー『チャーリーズ・エンジェル』#29(2-6)、ヴィヴィカ・A・フォックス『キル・ビル』 #32(2-9)、デニース・リチャーズ『ワイルドシングス』#51(2-28)、グラント・ショー「メルローズ・プレイス」#50(2-27)、♪Color Me Badd[歌手・本人役] #49(2-26)
シーズン3
ピーター・クラウス「ダーティ・セクシー・マネー(ニック役)」#52(3-1)、バート・レイノルズ『ブギーナイツ』#76(3-25)、ロージー・オドネル[コメディアン]#63(3-12)、デビッド・アークエット『スクリーム』#65(3-14)、セス・グリーン『オースティン・パワーズ2』#68(3-17)、ディーン・ケイン「ロイス&クラーク」#63(3-12)、ダイアン・キャノン「アリーmyラブ」#76(3-25)
シーズン4
★クレア・アーノルド初登場(★キャサリン・ロバートンソン)ポール・ヨハンソン「One Tree Hill(ダン役)」#4(4-4)、♪ベイビーフェイス[歌手・本人役]#31(4-31)
シーズン5
★ヴァレリー・マローン(ティファニー・ティッセン「ファストレーン」)、レイ・プルーイット(ジェイミー・ウォルターズ『過ぎゆく夏』)初登場キャスパー・ヴァン・ディーン『スターシップ・トルーパーズ』#36(5-4)、♪ローリング・ストーンズ[バンド・本人役]#44(5-12)、The Flaming Lips[バンド・本人役]#55(5-23)
シーズン6
★コリン・ロビンス初登場(ジェイソン・ワイルズ「サード・ウォッチ(ボスコ役)」)レベッカ・ゲイハート『ルール』#67(6-3)、スタンリー・カーメル「名探偵モンク(Drクルーガー)」#66(6-2)、キャメロン・バンクロフト「プリテンダー」#72(6-8)、スティーブン・カルプ「デスパレートな妻たち」#90(6-26)、♪ザ・コアーズ[バンド・本人役]#80(6-16)、♪グー・グー・ドールズ[バンド・本人役]#96(6-32)
シーズン7
ジェイソン・ルイス「SEX AND THE CITY」#118(7-23)、エディ・シブリアン「サード・ウォッチ(ジミー役)」#98(7-2)、♪カーディガンズ[バンド・本人役]#128(7-33)、♪ルーサー・ヴァンドロス[歌手・本人役]#115(7-20)、♪ベアネイキッド・レディーズ[バンド・本人役]#120(7-25)、♪モニカ[歌手・本人役]#125(7-30)
シーズン8
★カーリー・レイノルズ初登場(ヒラリー・スワンク『ミリオンダラー・ベイビー』)、ノア・ハンター初登場(★ヴィンセント・ヤング)ジェシカ・アルバ『シン・シティ』#151(8-23)、ダニエル・ダエ・キム「LOST」#131(8-3)、マイケル・トルッコ「バトルスター・ギャラクティカ(サム・アンダーソン役)」#148(8-20)、♪ブライアン・マクナイト[歌手・本人役]#143(8-15)
シーズン9
★マット・ダーニング(ダニエル・コスグローブ「ダーティ・セクシー・マネー(フレディ役)」)、ジーナ・キンケイド(ヴァネッサ・マーシル「ラスベガス」)初登場ローラ・レイトン「メルローズ・プレイス(シドニー役)」#161(9-1)、クリスティン・ローズ「HEROES/ヒーロ-ズ(アンジェラ役)」#172(9-12)、シリ・アップルビー「ロズウェル 星の恋人たち」#182(9-22)、ケイコ・アゲナ「ギルモア・ガールズ」#185(9-25)、♪モニカ[歌手・本人役]#183(9-23)、♪コレクティブ・ソウル[バンド・本人役]#186(9-26)
シーズン10
エヴァ・ロンゴリア・パーカー「デスパレートな妻たち」#205(10-19)、ライアン・シークレスト「アメリカン・アイドル」#202(10-16)、♪クリスティーナ・アギレラ[歌手・本人役]#188(10-2)
原題 | ビバリーヒルズ高校白書/ビバリーヒルズ青春白書 Beverly Hills 90210 |
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データ | 1990~2000年/アメリカ/COL/二カ国語/全294話 |
製作総指揮 | アーロン・スペリング |
出演 |
ジェーソン・プリーストリー シャナン・ドハーティー ルーク・ペリー ジェニー・ガース ブライアン・オースティン・グリーン トリ・スペリング アイアン・ジーリング ガブリエル・カーテリス ティファニー・アンバー・ティッセン |
あらすじ |
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