エミリー・デシャネル演じるテンペランス・“ボーンズ”・ブレナン博士。テンペランス・ブレナンは、実在の法人類学者キャシー・ライクスが生み出してきた、ベストセラー小説シリーズの主人公である。シカゴ生まれのキャシー・ライクスは、ノースウエスタン大学で自然人類学の博士号を取得し、米国法医人類学協会がこれまでに認定したたった100人の法人類学者のうちの1人。FBI捜査官に人間の遺体の発見や復元の仕方や、混蔵された身体の一部を分解し特定する方法を教える傍ら、自身の実務経験をもとに魅力的な法医スリラーの数々を執筆してきた。1997年に発表したデビュー小説「既死感(原題:Déjà Dead)」がニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー入りし、エリス賞の新人小説賞を受賞。それ以来、テンペランス・ブレナンを主人公にした小説シリーズは20冊近く発表されている。「BONES -骨は語る-」の製作にも名を連ね、後続シーズンでは脚本も担当しているキャシー・ライクス。本作でブレナンが執筆している小説の主人公の名はキャシー・ライクスで、シーズン2ではキャシー・ライクス本人が教授役でゲスト出演していることにも注目したい。
本国アメリカでは2005年9月にプレミア放送された「BONES -骨は語る-」。本作は、製作スタジオ20世紀スタジオ(旧:20世紀フォックス)が企画のハート・ハンソンに、法医をテーマにしたシリーズのアイディアがあると持ちかけたことで始まった作品だ。ハート・ハンソンは、キャシー・ライクスについてのドキュメンタリーを製作する権利を獲得していた製作総指揮バリー・ジョセフソンと会うことになり、最初は刑事ものを製作することにあまり気乗りしていなかったハート・ハンソンも、バリー・ジョセフソンとの度重なるミーティングを経て、脚本を執筆することに決めたよう。「LAW & ORDER」や「CSI」など、すでに地上波テレビを席巻していた数々の1話完結型クライムドラマの中でも異彩を放つクライムドラマに仕上げるため、ハート・ハンソンは可能な限りユーモアを込め、キャラクター展開も入念に練ったそうだ。また、3次元グラフィックスを用いた復顔装置“アンジェレーター”も独自の要素を生み出している。他のクライムドラマではフラッシュバックとして描かれる部分を、“アンジェレーター”が肩代わりしているのだ。こうして、「骨」という斬新なテーマをベースに、他のクライムドラマとは一線を画す作品に仕上がった「BONES -骨は語る-」。2005年のデビューから2017年のフィナーレまで、計12シーズン続いた人気長寿シリーズとなった。