「サバイバー: 宿命の大統領」でカークマン大統領の妻アレックスを演じている、英国人女優のナターシャ・マケルホーンは、ロンドン音楽芸術学院で演技を学び、舞台で経験を積んだ実力派の美人女優だ。
『トゥルーマン・ショー』や『ソラリス』など映画でも印象的な役を演じてきたが、最近では、「カリフォルニケーション」や「サバイバー: 宿命の大統領」などTVシリーズを主な活躍の場としている。
「私の興味のあるプロジェクトが、映画じゃなくて、TVだと言うこと」
米オンラインサイトのインタビューで、ナターシャはTVシリーズへの出演が続く理由を明かす。クリエイティブな意味はもちろん、映画作りが難しくなっている昨今の事情もあるらしい。
「映画を作るのに資金調達がとても厳しいらしいのよ。時には一つの映画に10年かかることもあるの」
そこまで待ってられない、「私は仕事がしたい」とナターシャ。外科医の男性と結婚、3児を授かったが、夫は10年前に急死した。以降、ナターシャがシングルマザーとして子供たちを育ててきた。長男は今年、大学に進学したばかり。10年待って、映画に出ている余裕はない。
「それに私はTVが好き。以前よりTVを見ることが多くなったわ。(TVには)たくさんの選択肢があって、内容もどんどん良くなっている」
そのたくさんの選択肢をめがけ、優秀な脚本家たちがTVシリーズに集まっている。
「とにかく脚本家が大事。それぞれのテーマごとに脚本家のエージェンシーがあって、ひしめき合って競争している。すごくエキサイティングでしょ! 私は学校で芝居を勉強して、古典劇も教わった。だから脚本家をとてもリスペクトしているの。昔に戻ったみたいな気分で(TVシリーズの)仕事をしてるわ、素晴らしい脚本家たちと一緒なのだから」
だから、演じる作品はTVであれ、映画であれ、脚本重視。もちろん、仕事仲間となる共演者も肝心だ。
「共演者は気になるわ。誰と一緒に砂場で遊ぶのか、とっても大切なことだもの」
これまでジョージ・クルーニーからデヴィッド・ドゥカヴニー、キーファー・サザーランドまでたくさんのスター俳優と共演してきたナターシャ。中でも最も尊敬している俳優の一人が、映画『サバイビング・ピカソ』で共演したアンソニー・ホプキンスだ。
「彼とは私が初めて出演した映画で一緒だったの。彼と(映画の)カメラの間で交わされるもの、それが何であれ、とても劇的で磁石のように引きつけられたわ」
華やかな美貌と舞台出身の演技力、そして仕事へのどん欲な姿勢。これからも優れたTVシリーズで、ナターシャの活躍を見ることになりそうだ。
<「parade.com」 9月14日>