米CBSで最終シーズンを放送中のシットコム「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」の最終回が、5月16日に決定した。最終回のカウントダウンも始まる中、米エンタメサイトが、大人気シットコムの誕生秘話を明かしている。
ファンの間ではすでに知られているが、もともと「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のヒロインには他の女優がキャスティングされていた。
ヒロイン役のケイティを演じていたのは、カナダ人女優のアマンダ・ウォルシュ。ケイリーと同じ金髪で、明るく、ちょっぴり生意気なムードを漂わせる美人女優だ。アマンダは、カナダの音楽番組のVJから女優に転身、「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のパイロット版で大役をゲットした。
主演にジム・パーソンズ、ジョニー・ガレッキ、そしてヒロインにアマンダを迎え、パイロット版は撮影された。しかし、そのパイロット版は何かアピールが足りなかったと、同番組を製作するワーナーブラザーズ・テレビジョン・グループ社長のピーター・ロスは語る。
「最初のパイロット版で、ペニーのキャラクター(役名はケイティ)は、誰もが振り回されるような小悪魔的な隣の女の子と表現できるほど魅力的ではないと感じました。女優(アマンダ・ウォルシュ)が悪いのではなく、キャラクターそのものに自信が足りないように思ったのです。幸い、当時のCBSエンターテイメント社長のニーナ・タスラーが、『もう一度練り直しましょう』と提案してくれました」(ロス社長)
「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のクリエーターは、「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ」の大物プロデューサー、チャック・ロリー。企画を振り出しに戻すのは勇気がいったはずだが、結論から言って、この判断は正しかったことになる。
アマンダは役を降ろされ、新しくヒロインのペニーにケイリーがキャスティングされた。
「最初のオーディションでは、私は役に選ばれなかったのよ」とケイリー。「当時の私は若すぎたのよ。それから一年が経って、彼らがまたパイロット版を撮り直すと聞いたの。そこで、また私がペニー役のオーディションに呼ばれたわけ」
ケイリーは子役としてTVに出演、シットコム「パパにはヒ・ミ・ツ」では主演の大物コメディアン、ジョン・リッターからコメディのイロハを学んだ。ただの金髪美女ではない、安心して笑いを任せられるヒロイン、それがケイリーだったのだ。
共同クリエーターのビル・プラディは、ペニー役の重要性について語っている。
「レナード、シェルドン、そしてペニーの三角関係はただのロマンスの間柄じゃない、番組の核なんだ。レナードを、それぞれ逆方向から引っ張り合ってるのさ。シェルドンはレナードを外の世界から引き離そうとする。一方、ペニーは彼を外の世界に引きずり出したいと思っている。ペニーは悩ましいほど魅力的な存在なんだ」
2度目のパイロット版でケイリーの他、サイモン・ヘルバーグ、クナル・ネイヤーも加入した。その時の思い出をジョニー・ガレッキは「とても自然だった。長年一緒に演奏しているバンドみたいに感じたよ」と回顧している。
最初のパイロット版はつまづいたが、二度目があったのは、この企画に可能性があったから。ケイリーら新たなキャストを迎え、ここから「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」12シーズンの歴史が始まったのだ。
<「tvinsider.com」 3月13日>