米ロサンゼルスにて、9月22日、第71回エミー賞授賞式が開催された。例年手堅い結果となりがちなエミー賞だが、今年は意外な作品・男女優の受賞が続いた。
今年最も注目を集めていたのが、最終シーズンの「ゲーム・オブ・スローンズ」。見事、ドラマ部門の作品賞を受賞したが、最終シーズンの出来はイマイチとされていただけに、メディア、SNSの反応は微妙。一方、体当たり演技で「ゲーム・オブ・スローンズ」を引っ張ったエミリア・クラークが同主演女優賞を逃したことについては、ファンを中心に落胆の声が広がった。
その同主演女優賞を受賞したのも意外な候補だった。エミリア・クラークと「キリング・イヴ/Killing Eve」のサンドラ・オーの一騎打ちのはずが、受賞したのはサンドラの共演女優、ジョディー・カマー。本命を抑えての受賞にジョディーも「これは突風のようなものです。あなたと一緒に仕事ができるのは光栄です」と、サンドラを気遣うスピーチを行った。
またコメディ部門もサプライズとなった。「ゲーム・オブ・スローンズ」同様、長年エミー賞に貢献してきた「Veep/ヴィープ」も最終シーズンで最後のエミー賞。ところが作品賞はおろか、ジュリア・ルイス=ドレイファスの同主演女優賞もならず、批評家人気の高い英国産コメディ「Fleabag フリーバッグ」に惨敗した。
意外続きの授賞式で、会場を盛り上げたのはドラマ部門主演男優賞受賞のビリー・ポーター。今年のアカデミー賞、トニー賞のレッドカーペットで話題をさらった“ドレス姿”に比べると、やや地味目なスーツで来場したが、全てはノミネート時点で本命とされたエミー賞へのリスペクト。LGBTQから初めて同主演男優賞を受賞したビリーは「この日が来るのを首を長くして待っていました。今は嬉しい気持ちではちきれそうです」と、最大限の喜びをスピーチで表現した。
主要部門の授賞者(☆印)は以下の通り。
<ドラマ・シリーズ部門>
■作品賞
☆「ゲーム・オブ・スローンズ」
「ボディガード -守るべきもの-」
「キリング・イヴ/Killing Eve」
「オザークへようこそ」
「POSE/ポーズ」
「サクセッション」
「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
■主演男優賞
☆ビリー・ポーター 「POSE/ポーズ」
ジェイソン・ベイトマン 「オザークへようこそ」
スターリング・K・ブラウン 「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
キット・ハリントン 「ゲーム・オブ・スローンズ」
ボブ・オデンカーク 「ベター・コール・ソウル」
マイロ・ヴィンティミリア 「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
■主演女優賞
☆ジョディー・カマー 「キリング・イヴ/Killing Eve」
エミリア・クラーク 「ゲーム・オブ・スローンズ」
ヴィオラ・デイヴィス 「殺人を無罪にする方法」
ローラ・リニー 「オザークへようこそ」
マンディ・ムーア 「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
サンドラ・オー 「キリング・イヴ/Killing Eve」
ロビン・ライト 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
■助演男優賞
☆ピーター・ディンクレイジ 「ゲーム・オブ・スローンズ」
アルフィー・アレン 「ゲーム・オブ・スローンズ」
ジョナサン・バンクス 「ベター・コール・ソウル」
ニコライ・コスター=ワルドー 「ゲーム・オブ・スローンズ」
ジャンカルロ・エスポジート 「ベター・コール・ソウル」
マイケル・ケリー 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
クリス・サリヴァン 「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
■助演女優賞
☆ジュリア・ガーナー 「オザークへようこそ」
グェンドリン・クリスティー 「ゲーム・オブ・スローンズ」
レナ・ヘディ 「ゲーム・オブ・スローンズ」
フィオナ・ショウ 「キリング・イヴ/Killing Eve」
ソフィー・ターナー 「ゲーム・オブ・スローンズ」
メイジー・ウィリアムズ 「ゲーム・オブ・スローンズ」
■ゲスト男優賞
☆ブラッドリー・ウィットフォード 「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
マイケル・アンガラノ 「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
ロン・ケパ・ジョーンズ 「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
マイケル・マッキーン 「ベター・コール・ソウル」
クメイル・ナンジアニ 「The Twilight Zone(原題)」
グリン・ターマン 「殺人を無罪にする方法」
■ゲスト女優賞
☆チェリー・ジョーンズ 「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
ラヴァーン・コックス 「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」
ジェシカ・ラング 「アメリカン・ホラー・ストーリー:黙示録」
フィリシア・ラッシャッド 「THIS IS US/ディス・イズ・アス」
シシリー・タイソン 「殺人を無罪にする方法」
カリス・ファン・ハウテン 「ゲーム・オブ・スローンズ」
<コメディ・シリーズ部門>
★作品賞
☆「Fleabag フリーバッグ」
「バリー」
「グッド・プレイス」
「マーベラス・ミセス・メイゼル」
「ロシアン・ドール: 謎のタイムループ」
「シッツ・クリーク」
「Veep/ヴィープ」
★主演男優賞
☆ビル・ヘイダー 「バリー」
アンソニー・アンダーソン 「black-ish (原題)」
ドン・チードル 「Black Monday(原題)」
テッド・ダンソン 「グッド・プレイス」
マイケル・ダグラス 「コミンスキー・メソッド」
ユージン・レヴィ 「シッツ・クリーク」
★主演女優賞
☆フィービー・ウォーラー=ブリッジ 「Fleabag フリーバッグ」
クリスティナ・アップルゲイト 「デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~」
レイチェル・ブロズナハン 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
ジュリア・ルイス=ドレイファス 「Veep/ヴィープ」
ナターシャ・リオン 「ロシアン・ドール: 謎のタイムループ」
キャサリン・オハラ 「シッツ・クリーク」
★助演男優賞
☆トニー・シャルーブ 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
アラン・アーキン 「コミンスキー・メソッド」
アンソニー・キャリガン 「バリー」
トニー・ヘイル 「Veep/ヴィープ」
スティーヴン・ルート 「バリー」
ヘンリー・ウィンクラー 「バリー」
★助演女優賞
☆アレックス・ボースタイン 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
アンナ・クラムスキー 「Veep/ヴィープ」
シアン・クリフォード 「Fleabag フリーバッグ」
オリヴィア・コールマン 「Fleabag フリーバッグ」
ベティー・ギルピン 「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」
サラ・ゴルドベルク 「バリー」
マリン・ヒンクル 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
ケイト・マッキノン 「サタデー・ナイト・ライブ」
★ゲスト男優賞
☆ルーク・カービー 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
マット・デイモン 「サタデー・ナイト・ライブ」
ロバート・デ・ニーロ 「サタデー・ナイト・ライブ」
ピーター・マクニコル 「Veep/ヴィープ」
ジョン・ムレイニー 「サタデー・ナイト・ライブ」
アダム・サンドラー 「サタデー・ナイト・ライブ」
ルーファス・シーウェル 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
★ゲスト女優賞
☆ジェーン・リンチ 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
サンドラ・オー 「サタデー・ナイト・ライブ」
マーヤ・ルドルフ 「グッド・プレイス」
クリスティン・スコット・トーマス 「Fleabag フリーバッグ」
フィオナ・ショウ 「Fleabag フリーバッグ」
エマ・トンプソン 「サタデー・ナイト・ライブ」
<リミテッド・シリーズ/TV映画部門>
■TV映画 作品賞
☆「ブラック・ミラー: バンダースナッチ」
「ブレグジット EU離脱」
「Deadwood: The Movie (原題)」
「King Lear (原題)」
「エルヴェとの晩餐 ある映画スターの数奇な人生」
■リミテッド・シリーズ 作品賞
☆「チェルノブイリ」
「Escape at Dannemora (原題)」
「Fosse/Verdon (原題)」
「KIZU -傷-」
「ボクらを見る目」
■主演男優賞(リミテッド・シリーズ/TV映画)
☆ジャレル・ジェローム 「ボクらを見る目」
マハーシャラ・アリ 「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ」
ベニチオ・デル・トロ 「Escape at Dannemora (原題)」
ヒュー・グラント 「英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件」
ジャレッド・ハリス 「チェルノブイリ」
サム・ロックウェル 「Fosse/Verdon (原題)」
■主演女優賞(リミテッド・シリーズ/TV映画)
☆ミシェル・ウィリアムズ 「Fosse/Verdon (原題)」
エイミー・アダムズ 「KIZU -傷-」
パトリシア・アークエット 「Escape at Dannemora (原題)」
アーンジャニュー・エリス 「ボクらを見る目」
ジョーイ・キング 「The Act (原題)」
ニーシー・ナッシュ 「ボクらを見る目」
■助演男優賞(リミテッド・シリーズ/TV映画)
☆ベン・ウィショー 「英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件」
アサンテ・ブラック 「ボクらを見る目」
ポール・ダノ 「Escape at Dannemora (原題)」
ジョン・レグイザモ 「ボクらを見る目」
ステラン・スカルスガルド 「チェルノブイリ」
マイケル・ケネス・ウィリアムズ 「ボクらを見る目」
■助演女優賞(リミテッド・シリーズ/TV映画)
☆パトリシア・アークエット 「The Act (原題)」
マーシャ・ステファニー・ブレイク 「ボクらを見る目」
パトリシア・クラークソン 「KIZU -傷-」
ヴェラ・ファーミガ 「ボクらを見る目」
マーガレット・クアリー 「Fosse/Verdon (原題)」
エミリー・ワトソン 「チェルノブイリ」
<「emmys.com」 9月22日>