2019年3月、52歳の若さでルーク・ペリーが亡くなったことに衝撃を受けた海外ドラマファンは少なくないに違いない。
出演作は「ビバリーヒルズ青春白書」「
クリミナル・マインド」そして遺作の一つとなった「リバーデイル」などなど。長年に渡り米TV界に貢献してきた、紛れもないTVが生んだスターの一人だった。
そんな亡きTVスターとの思い出話を披露したのは、「
スーパーナチュラル」のジャレッド・パダレッキだ。
ジャレッドの語るルークとの出会いは、ある会食の場だった。その会食を開いたのは、「スーパーナチュラル」そして「リバーデイル」の放送ネットワークThe CW会長のマーク・ペドウィッツ。ペドウィッツは、「スーパーナチュラル」と新番組の出演者を引き合わせるため、定期的に会食の場を設けていた。
同ネットワークで最もロングランの「スーパーナチュラル」から、新番組が何かを得てもらいたい、一つの番組を長く続けるために、いかに出演者や制作陣が努力しているか、それを伝授する場として、ペドウィッツは「スーパーナチュラル」のジャレッドらと、当時新番組の「リバーデイル」出演者を会食させていたのだ。
ロングラン番組「スーパーナチュラル」と新番組「リバーデイル」の出演者。伝授する側とされる側。どちらが上から目線になってしまいがちなのは言うまでもない。されどルーク・ペリー。TV界を生き抜いてきたレジェンドに、さすがのジャレッドも伝授する言葉など見つからない。それよりもド緊張を抑えるのに必死。
「最高に嬉しい時間だったな。ルークは僕の隣の席だったんだけど、こんなことを言ってくれた。『君らの番組のことは良く知っている。たとえどんな形でも君らと知り合いになれて、本当にクールだと思うよ』ってね」
「僕はマジに頬っぺたをつねりそうになったんだ」と、ジャレッド。ルークからはTVスターの驕りも威張りも感じられない、謙虚な新番組の一出演者の姿しか見えなかったからだ。
15シーズン続いた「スーパーナチュラル」が終了し、ジャレッドは新番組「Walker(原題)」(「炎のテキサス・レンジャー」のリメイク)に取りかかっている。そう、まるであの時のルークと同じ位置に立っているのだ。TVスターから掛けてもらった誉め言葉は今もジャレッドの誇り。今度は誰かにその言葉をつなぐ番だ。
<「cbr.com」 4月15日>