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メンタリスト」のサイモン・ベイカーは、三人の子供(長女、長男、次男)の良きパパだ。そのうち長女のステラ・ベイカーは27歳。2014年に父の番組「メンタリスト」でデビューしたステラは、近年、話題作で重要な役どころを演じるなど、女優として注目されている。めったに更新しない自身のインスタグラム(@snappytoes)、サイモンは誇らしげに投稿した。「ステラは自力で頑張っている。これまで通り、僕は君を誇りに思う」そして「愛してるわ、お父さん」とステラ(@stellabaker)からは感謝のコメント。人もうらやむ美しい父と娘のエールの交換。
サイモンがステラを褒め称えるのも当然だろう。「メンタリスト」終了後、ベイカー一家は米国から母国オーストラリアに戻ったが、ステラだけは単身ハリウッドに居残った。大ヒットシリーズの主演だった父の残光はハリウッドでも健在とは言え、一人は心細かったはずだ。しかしステラは踏ん張った。コネも七光りもない新人女優よろしく、短編映画への出演を続けた。20代前半の日々をオーディションで過ごすのは、スターの娘にはツラかっただろう。粘った末につかんだ大役が、米Amazon配信のドラマシリーズ「Tell Me Your Secrets(原題)」。リリー・レーブ、エイミー・ブレネマン主演のサイコスリラーでストーリーの鍵になる役どころ。父が目を覆うようなシーンにも挑んでいる。「Tell Me Your Secrets(原題)」でスター女優たちの熱演にも負けない演技が認められたのか、現在撮影中の「The Republic of Sarah(原題)」では、なんとステラがサラ役に抜擢された。米CWの社会派青春ドラマで、ステラの知的で芯の強そうなイメージが主役のサラにぴったりだ。
あれよあれよという間に女優の階段を昇り、サイモンも驚いていることだろう。かつてサイモンは女性誌のインタビューで、娘が自分と同じ職業を選んだことについてこう言及したことがある。「どんな親も、我が子が夢中になれる何かを見つけてくれたことに安堵と喜びを感じるはずだ。彼女が選んだのは僕と同じ職業だから、嫌な面を知っているし、逆にポジティブな面も知っている。僕はただ彼女が何か頼りを必要とした時、力になってやれる存在でいたいんだ」
サイモンは昨年、子供たちの母親で長年連れ添った妻レベッカ・リグさんとの結婚生活に終止符を打った。愛妻家として知られたサイモンだから、ファンには衝撃のニュースだった。それでも、3人の子供たちはサイモンの何よりの宝物だ。その昔、サイモンはレベッカさんと一緒にステラを連れて、無名のまま米国に渡ってきた。すぐに芽が出ず苦しい時も頑張ることができたのは、家族を抱えていたからだとサイモンは語っていた。遠く離れた娘への愛をいつも胸に。サイモンの活躍した米国で、今度はステラ自らスターの座をつかみとる。
<「newidea.com」 5月10日>