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Dr. HOUSE」で、主役のハウス医師(ヒュー・ローリー)の良き理解者、ジェームス・ウィルソン医師を演じるロバート・ショーン・レナード。19歳で出演した映画『いまを生きる』が大ヒット、以降、恵まれた演技キャリアを送るロバートが地元ニュージャージー州のメディアの取材に答え、俳優を志すまでの思い出を語っている。
ロバートが初めて演技に触れたのは、まだ8歳か9歳の頃。「母がアマチュア演劇グループの大道具を手伝っていたんだ。僕も少しずつお手伝いをするようになった。夏の演劇キャンプに参加した僕を、彼らは頻繁に舞台に上げてくれた。他の参加していた子供たちはほとんどが13歳から17歳だったから、小さな子供を演じる子役が必要だったというわけさ」
とはいえ、小さなロバートが演技に興味を持っていたわけではなかったらしい。「背景画を書いたり、照明を手伝ったりするのは好きだった。だけど、演技はあんまり…。裏方のスタッフたちは俳優を少し軽んじていた。だから僕もその仲間と思われたくなかったんだね」 そのどこか覚めた舞台でのたたずまいが良かったのだろうか、小さなロバートは周囲から注目を浴びたらしい。
「意識してやっていたわけじゃないんだけど、観客には僕がそんな演技をしているように見えたらしいんだ。目立っていたといわれたものさ。そのうち父の友人がNYのつてをたどって、僕をパブリック・シアター(オフブロードウェーの有名な演劇集団)のオーディションに連れて行ったんだ」
オーディションに見事合格。代役用のオーディションだったため、実際に舞台に上がることはなかったが、半ば嫌々で演技を始めたロバートは、初めてのブロードウェー・オーディションを一発で受かってしまったのだ。 「だから僕は若い人にアドバイスを送るのに、ふさわしくない人間だ。たいした苦労をしたこともなく、なんとなく俳優になれてしまったんだからね」 ロバートのひょうひょうとした顔立ちを見れば、そんなコメントも納得してしまう。天性の才能が周囲の応援によって開花した最たる例とも言えるかもしれない。
「初めから演技を志していたわけじゃないけれど、今じゃすっかり恋に落ちたよ。(劇作家)テネシー・ウィリアムズ、トム・ストッパード、ジョージ・バーナード・ショーの作品を知ってしまったからね」 映画やTVで売れっ子となった今も舞台に出演を続けている。2001年には「愛の創造」でトニー賞助演男優賞を受賞した。舞台に上がることをためらっていたロバートはもういない。俳優であること、それはロバートの誇りだ。
<「baristanet.com」 2019年5月8日>