本家「LAW & ORDER」シリーズの初放送から30年以上かけて一大フランチャイズを築いてきたクリエーターで重鎮プロデューサーのディック・ウルフが放つ新シリーズが、「LAW & ORDER: 組織犯罪特捜班」だ。1999年に放送が始まり、現在アメリカのテレビ史上最も長く放送され続けているプライムタイムドラマ「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」のスピンオフシリーズということもあり、本作は制作発表当時から話題を集めてきた。注目される最も大きな理由は、主人公のエリオット・ステイブラーが「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」でマリスカ・ハージティ演じるオリビア・ベンソンの12年来の元パートナーであるということにほかならない。この注目度は初回視聴率の高さを見てもわかる通りだが、クリエーターで「LAW & ORDER」の生みの親でもあるディック・ウルフは、この期待値の高さに応えられるようなふさわしい製作陣をメンバーとして引き入れた。ショーランナーには、「Lの世界 ジェネレーションQ」や「Empire 成功の代償」、「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」といったシリーズをヒットに導いてきた腕利きプロデューサーのアイリーン・チェイケンが抜擢された。当初、「シカゴ P.D.」の共同クリエイターであるマット・オルムステッドが本作のショーランナーを務めていたが、ディック・ウルフの別作品への参加の可能性があるとして降板することになり、彼の退任2か月後に彼女の任命が発表された。その他の製作陣の中には、「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」や「シカゴ P.D.」のテリー・ミラーや、「シカゴ」シリーズと「FBI:特別捜査班」で監督を務め、「FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~」で制作総指揮を務めたフレッド・バーナーが製作陣に加わっている。さらに「シカゴ」シリーズ、「FBI」シリーズ、「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」で制作総指揮を執っているアーサー・W・フォーニーとピーター・ジャンコウスキーも製作総指揮として名を連ねている。これらプロデューサーたちが歴代携わってきた作品群を見渡してみても、明らかに作品色が異なるショーランナーのアイリーン・チェイケンだが、彼女がこれまでプロデュースした番組はいずれも人気を博し、批評家からも高い評価を得ている。犯罪ドラマ作品の経験は浅いかもしれないが、巧みな人物関係描写に長けた彼女の才能は、熱狂的なファンを持つフランチャイズの世界観に新鮮な空気をもたらしている。