15年間「スーパーナチュラル」で主人公サム・ウィンチェスター役を演じ、2020年にサム役を卒業したジャレッド・パダレッキ。本作は、その動向が注目されていたジャレッドの、「スーパーナチュラル」後、初の主演テレビシリーズである。
ジャレッドが演じる本作の主人公コーデル・ウォーカーは、テキサス州独自の法執行官「テキサス・レンジャー」である。コーデルは妻を事件で失った後、10ヶ月間の潜入捜査を経て、レンジャーの仕事に邁進しながらも、裏で妻の死の真相を追い、2人の子供たちとの関係修復にも心を砕く父親という役柄で、家族を中心に据え、現代社会の側面も反映させる内容となっている。
主演のジャレッドに加え、共演に「プリティ・リトル・ライアーズ」のキーガン・アレン、「X-ファイル」のミッチ・ピレッジ、「サード・ウォッチ」のコビー・ベルら、日本の海外ドラマファンにもおなじみの面々が顔をそろえている。
2021年1月21日に放送局The CWでプレミア放送されたパイロット版は、2018年1月30日以来、The CWで最も視聴された番組となった、2017年10月に放送された「THE FLASH/フラッシュ(シーズン4)」以来、最も視聴されたシーズン・プレミアとなった。また、このプレミア放送は、「レジェンド・オブ・トゥモロー」シーズン3の第8話の放送以来、4年ぶりにその放送枠として最高の視聴者数243万人を獲得した。また、新シリーズとしては前述の「レジェンド・オブ・トゥモロー」以来、最も高いライブ+7日間視聴率を獲得している。さすがファン層の厚いジャレッド・パダレッキによる「スーパーナチュラル」後の主演注目作とあり、非常に高い視聴率を獲得した。そして2023年5月にシーズン3のフィナーレを迎えた本作は、放送だけでなくデジタル視聴やソーシャルメディアでも人気の高い番組である。
製作総指揮ジャレッド・パダレッキとアナ・フリックの新たなる挑戦!
2020年に、15年演じた「スーパーナチュラル」サム役を卒業したジャレッド・パダレッキの次なる挑戦は、テキサス州独自の法執行官「テキサス・レンジャー」。テキサス・レンジャーと聞いて多くの人の記憶に蘇るのは、1993年から9シーズン続いたチャック・ノリス主演の人気テレビシリーズ「炎のテキサス・レンジャー(Walker, Texas Ranger)」だろう。そして本作は、正にそのリブート版シリーズなのである。「炎のテキサス・レンジャー」は、チャック・ノリスがハリウッドスターとしての地位を確立したアクション満載の一話完結型刑事ドラマだったのだが、新世代の主人公は、チャック・ノリス版とは大きく異なったコーデル・ウォーカーとして描かれている。今でも「コーデル・ウォーカー」というキャラクターの権利を保有しているチャック・ノリスから許諾を得て以前のキャラクターから大幅に変えたコーデル・ウォーカー像を作り上げることとなったのだが、ショーランナーのアナ・フリックによれば、今回初めて製作総指揮を務めるジャレッド・パダレッキは、コインの裏とも表とも言えないようなキャラクターを演じることに興味を持っていたそうで、さらに二人が番組を通して伝えたいストーリーが同じだったと語っている。元々アナ・フリックは、ティーン向けのドラマ「ドーソンズ・クリーク」や「エバーウッド 遥かなるコロラド」などの家族ドラマで成長してきたこともあり、ウォーカーというキャラクターを深く追求することには興味があったそうで、その点でジャレッドと意気投合したというわけだ。
アナとジャレッドは、2020年のブラック・ライブズ・マター(黒人に対する暴力や組織的な人種差別に反対する運動)が起こる前から、議論を喚起するようなストーリーを伝えることに興味を持っていたそうで、答えを与える番組ではなく、質問を投げかけるような番組を作ろうとしたとのこと。今回、コーデル・ウォーカーのパートナーがメキシコ系女性レンジャーであったり、弟がゲイという設定に彼らの意図が感じ取れる。多様性を描きながら現代版に大幅にアップデートされた「WALKER/ウォーカー」は、オリジナル版では見ることのできなかった主人公の家族や人間関係のストーリーとなっている。
注)初回放送当時の情報となります