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海外ドラマおすすめコラム vol.62  今もなお影響力が大きい1980年代の大作 「将軍/SHOGUN」「V('83)」連続放送! 

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11月のスーパー!ドラマTVは「MANIFEST/マニフェスト シーズン3」「MACGYVER/マクガイバー ファイナル・シーズン」も楽しみだが、要注目は特別企画の「80年代超大作海外ドラマ一挙放送!!」。昨今、ネットの動画配信サービスが人気だが、筆者のような年配の海外ドラマ好きは“旧作も見たい”と思っており、大人の放課後よろしく、1980年代の作品を語りたいが、今回放送の2本は後の近年にもつながる重要作でもある。
 
まず「V('83)」は大ヒット映画「インデペンデンス・デイ」への影響も大だが、地上波の2時間枠で放送されたミニシリーズ2本、計5話から成るのは、動画配信サービスで人気のリミテッドシリーズをかなり先駆けていたとも解釈可能だ。また、日本で残した一番の偉業は当時のレンタルビデオ業界で大ヒットしたこと。これが無かったら「ツイン・ピークス」も「24 -TWENTY FOUR-」も成功できたかどうか。そして2009年にはリ・イマジネーションされ、これには後に「HOMELAND」などに出演するモリーナ・バッカリンも出演。皮肉にもファシズムへの警告というテーマも健在だ。
 
そして「将軍/SHOGUN」は日本映画ファンも要注目。ハリウッドの名脚本家でもあったジェームズ・クラヴェルによる小説を映像化し、17世紀の日本に来た英国人ジョン・ブラックソーン(リチャード・チェンバレン。当初はショーン・コネリーにオファーが行った)が主人公の西洋流時代劇だが、舞台となる日本で数カ月にわたってロケし、名優の三船敏郎を筆頭に、島田陽子、フランキー堺、岡田真澄など日本のオールスターが豪華共演。本作、実はリメイクが進行中だ。企画は難航したものの、今年9月からカナダ・バンクーバーでようやく収録が始まり、日本から真田広之(旧作で三船が演じた虎長役!)、浅野忠信、二階堂ふみなどが参加。それほど1980年代の米TV界のヒットドラマは今なお影響力が大きいことを、この機会に再確認したい。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2021/11/1】
 
池田敏:海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。