"In the criminal justice system, sexually based offences are considered especially heinous. In New York City, the dedicated detectives who investigate these vicious felonies are members of an elite squad known as the Special Victims Unit. These are their stories . . ."
刑事司法制度では、性犯罪を特に重罪とみなす。ニューヨークにはこの悪しき犯罪と闘うエリート集団がいる。性犯罪特捜班の刑事たちだ。(本編字幕より)
「LAW&ORDER: 性犯罪特捜班」シリーズはすべてこのフレーズから始まる。
物語が進むにつれてこの作品のタイトルの不穏な真意が徐々に明らかになる。仕事に真摯に向き合う刑事たち自身が捜査している事件の被害者になってしまうのだ。一番顕著なのがクリストファー・メローニ演じるエリオット・ステイブラー刑事にまつわるストーリーだ。ステイブラーの感情の波はぐちゃぐちゃで、まさに噴火寸前の火山のようだ。今シーズンでは相棒のオリビア・ベンソンとの間に亀裂が走る場面が劇的に急増している。そんな中彼ら特捜班が対峙しなければいけない悪質犯罪が牙をむく。10代の卑劣な殺人犯が被害者の父親に撃たれたり、カルト教団のリーダーで小児性愛病者でもある人物が幼い妊婦に殺されたりといった事件が起こる。また、レイプ事件のエピソードでは、ステイブラーの妻が家を出て行ってしまうという衝撃的な事実が明らかにされる。
本シリーズの魅力は役者たちの演技と脚本にある。これは今シーズン第17話「14年後の決着」に如実に現れている。このエピソードではゲストのマシュー・モディーンが子供を狙う殺人犯/レイピスト、ゴードン・リケットとして登場する。この人物は14年前もステイブラーたち追手から逃れていた犯人だったのだ。ストーリーライン以上にステイブラーとリケットの取り調べの場面がすさまじいエピソードであり、お互いをコントロールしようとする、彼らの頭脳戦は身の毛もよだつものだった。実際の肉弾戦は描かれなかったものの、このタイトル(原題)である“Rage”(激怒)は表面上にでない怒りを見事に表している。